日時
2023年12月22日(金) 15:00~17:00(ZOOMウェビナーによる配信)
講演者
藤田 武彦 元運輸省第二港湾建設局 横浜調査設計事務所 建設専門官/元国土交通省 技術総括審議官
下迫健一郎 元港湾空港技術研究所 特別研究主幹
栗山 善昭 元海上・港湾・航空技術研究所 理事長
津田 修一 元国土交通省 東北地方整備局長
講演概要
2011年3⽉11⽇に東⽇本を襲ったマグニチュード9.0の地震は各地に甚⼤な災害をもたらした。とりわけ東⽇本の太平洋岸に来襲した津波は未曽有の規模で、この国の沿岸防災のあり⽅を根底から揺るがす事態を招いた。
地震が多発する島国⽇本は古くより津波に苦しめられており、今やTSUNAMIは世界の共通語であり、2015年に国連が定めた世界津波の⽇(11⽉5⽇)は和歌⼭県広川に伝えられる「稲むらの⽕」に由来している。
津波に対する防護策としては海岸堤防をより⾼く、より強固にしたいが、リアス式海岸では湾奥で津波⾼が著しく増⼤する。そこで釜⽯では湾⼝部に世界最⼤⽔深(-63m)の津波防波堤を計画し、技術の粋を凝らして建設した。
ここでは湾⼝防波堤完成直後に発⽣した東⽇本⼤震災における当該防波堤の挙動を分析してその防護効果を検証するとともに、レベルⅡの新たな設計思想を導⼊してさらに防御⼒を⾼めた防波堤の再建に取り組んだ関係者の道程を報告したい。